合理的な習俗、葬儀の後返し

葬儀の当日に香典返しを渡すやり方は近年になって都市部で見かけられるようになりました。これは葬儀にまつわるさまざまな儀式を一気に済ませてしまおうという合理的な考え方というとらえかたもあり、後返しとは異なる発想です。しかしながら香典も後返しも、庶民の知恵が生んだ相互扶助の産物であるという歴史的な認識も重要です。その根底にあるものはお互いに助け合い、気を配りあうという、人と人、地域と地域のつながりです。

葬儀当日に供えてくださる香典の金額をベースに、香典返しの品を決めていくというのが後返しの根幹を成す理念です。香典の金額を確認することができない葬儀当日に香典返しを渡すということは、金額に応じてきめ細かに香典返しの品を決めるという後返しの思想とは異なるものという見方もあります。

会葬者全員一律に同じ品を渡すわけですから、伝統的な決まりごとに厳格な高齢層の方にとっては、後返しとは異なり、受け容れるのはなかなか難しい面もあります。後日返しの場合は習俗に従って贈る品をじっくり決めることができますし、年齢層に関係なく、誰にでも受け容れられるという大きな利点があります。

価値観は多様化しており、どのような形での返礼をするかについては年齢層によっても受け止め方に違いがあります。いずれにしても故人との縁によって葬儀に参集し、香典をいただき、その返礼をするにあたって、誤解を生まないように丁寧な形で行うのはとても大切なことです。後返し業者にお願いする場合は品物やカタログギフトなどを選ぶことができ、その種類はお願いする後返し業者によって異なります。信頼できる業者にお願いする、もしくは自分で用意するなど手段は幾つかありますが、丁寧な気持ちでお返しをしましょう。